父親たちの星条旗

父親たちの星条旗 [DVD]

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良い映画だった。

ちょうど去年の夏に、日本側から硫黄島の戦いを描いた「硫黄島からの手紙」をテレビで見て、栗林忠道や市丸利之助に関する本なども読んだのだけれど、この映画を見て、アメリカ側の兵隊たちも哀れなものだとしみじみ思った。

とてもリアルに当時の戦闘シーンが再現されてあって、見ごたえがあった。

よくわけもわからないような激しい戦場で、次々に戦死していく日米双方の前線の兵隊たちは、本当に悲惨で、哀れなものである。

この映画では、「英雄」に仕立て上げられた兵士たちが、べつに英雄でもなんでもなく、いろんな苦悩を抱えたただの庶民で、戦争のあとは地味な人生を送ったこと、

もし本当に彼らを記憶したいならば、「ありのままの彼らを」記憶すべきことを、描いていて、とても印象的だった。

なんというか、もし可能であれば、可能な限り、戦争は絶対に回避すべきだろう。
もし硫黄島の地獄を、最初からはっきりと知り、想像することができたならば、開戦前夜の日米交渉の時に、アメリカ側も、日本側も、もっと粘って交渉したのではなかろうか。

硫黄島の戦争は、いろんなことを考えさせられる。