- 出版社/メーカー: 東北新社
- 発売日: 2008/03/28
- メディア: DVD
- 購入: 5人 クリック: 100回
- この商品を含むブログ (101件) を見る
本当にいい作品だった。
「夕凪の街 桜の国」は、原作の漫画もすばらしい名作で、ちょっと映画化した時に原作を損なわないかと心配していたのだけれど、映画もすばらしい出来で、原作に決して劣っていない、本当にいい作品だったと思う。
不覚にも、泣くことしばしば。
「夕凪の街 桜の国」は、広島の原爆がテーマなのだけれど、戦争そのものは直接は出てこなくて、原爆から十数年後と、さらにずっと時が経った現代が舞台。
原爆という「未だにわけのわからない」どうしようもない不条理な悲劇にもかかわらず、けなげに生きる庶民の生き様と、にもかかわらず時が経っても追い打ちをかける原爆の不条理さと、それでもちゃんと生きていこうとする人の心が描かれていて、なんというか、本当に、泣けた。
戦争や核兵器というのは、理由や理屈はなんとつけようとも、簡単に言えば人に対して「死んでしまえばいいのに」と思うことなのだと思う。
人に対して「死んでしまえばいいのに」と思うことが、どれだけ恐ろしいことか。
本当は、「生きてくれていてありがとう」「生きていてよかった」とお互いに言い合って、思いあえるような世の中こそ、かけがえがなく大切なことなのだと思う。
理屈や理由はもうどうでもいいから、つくづく戦争はもういやだと思う。
人に対して「死んでしまえばいいのに」と思うのではなく、お互いに「生きてくれていてありがとう」「生きていてよかった」と思える世の中や人生にしよう。
そう、この映画を見ていて、つくづく思った。