絵本 「海をわたったヒロシマの人形」

海をわたったヒロシマの人形 (えほんのもり)

海をわたったヒロシマの人形 (えほんのもり)

とても胸打たれる絵本だった。

広島の原爆投下の後、たまたま瓦礫の中に、人形が落ちていた。
その人形を拾った米兵が、アメリカのナンシーさんという少女にその人形を送った。
そのナンシーさんは、六十年間大切にその人形を保管し、2008年、広島の平和記念資料館に寄贈されたそうである。
この絵本の原作者の方は、ナンシーさんに会いに行き、この人形のことや、いろんなことを語りあったそうで、そのことがこの絵本には描かれている。
ナンシーさんのお兄さんも、あの戦争中、太平洋上で軍艦の事故で亡くなったそうだ。
日本もアメリカも、戦争で苦しむのは結局庶民だし、どちらの人も、本当は平和を望み、相手を思いやる心を持っているのだと思う。
多くの人に読んで欲しい、すばらしい絵本だった。