絵本 「洪水のあとで」

洪水のあとで―ノアたちのその後

洪水のあとで―ノアたちのその後

大洪水のあとのノアたちの様子が描かれた絵本。

地道に、復興にとりくみ、長い年月を経て、豊かにまた暮すようになり、過去を振り返りつつ、雨のあとには必ず虹が出る、と述べるところはなかなか感動的。

そういえば、大江健三郎さんが『ヒロシマ・ノート』の中で、広島・長崎の原爆を「大洪水」にたとえていた。
その後をどう生きるかと。

大洪水を忘れず、行いを正し、一生懸命復興に努めれば、そこにきっと虹がかかるということは、おそらく人類の歴史の中で、何度も思い起こされてきたことだし、そうであればこそ、絶望せずに、希望をもって生きてくることができたのかもしれない。

個人的には、多くの動物が描かれている中に、パンダがいたのがかなり気になった。

たしかに、ノアの箱舟の中に、パンダもいたと思うと、なかなか心がなごむし、楽しい気持ちになるような気がする。