絵本 「絵で読む広島の原爆」

広島の原爆 (福音館の科学シリーズ)

広島の原爆 (福音館の科学シリーズ)


非常に詳細に原爆についてまとめてある絵本。

科学的に、リトルボーイとファットマンの構造や、原子力がいかなるものか、解説してある。
また、当時の原爆開発にたずさわった科学者たちの簡単なプロフィール、当時の広島の町並みの再現図、詳細な年表など、とても情報がぎっしりつまっていた。

さらには、原爆が単に爆発の時だけでなく、放射性降下物によってもたらされる残留放射能による内部被曝の問題があったことなどを、とてもわかりやすく、かつ正確に詳細にまとめてあった。

おそらく、原爆について、これほどわかりやすく、正確にいろんな情報をぎっしりと詰めた本はあまり多くないかもしれない。

読んでいて、あんまり今まで意識したことがなかったので、あらためて考えさせられたのは、核実験や原発事故で戦後被爆した人は三百五十万人にものぼり、そのうち二百四十八万七千人が旧ソビエト、八十八万五千人がアメリカの人々だという。
これほど多くの自国民を被爆させながら、国防のためには核兵器が必要だと言ってきた米ソのふたつの超大国って何だったのだろうとあらためて考えざるを得ない。

大人こそが読むべき、すごい絵本だった。