絵本 「さがしています」

さがしています (単行本絵本)

さがしています (単行本絵本)


広島の原爆の時に、誰かが身につけていた服や手袋、あるいは持っていた弁当箱やビー玉やメガネ、鍵。

それらが言葉を語りだした。

という設定で書かれている、詩の数々と写真でつくられている絵本である。

あらためて、突然、中途で人生を断ち切られた人々の無念の思いと願いが、心に響く。

二度とこのようなことがないようにするためには、核兵器が二度と使われないように、各人がこれらの言葉に耳を傾け、思いを受け継ぎ、広め、強めていくしかないのだろう。

文章を書いているビナードさんという方は、アメリカ人だが、日本に来て原爆について調べ、広島で多くの人の話を聞き、この本を書いたという。
国境を越えて、多くの人に読み継がれて欲しい、重いが、大切な一冊と思う。