絵本 「ひろしまのエノキ」

ひろしまのエノキ (絵本・こどものひろば)

ひろしまのエノキ (絵本・こどものひろば)

すばらしい絵本だった。
実話が元になっているそうである。


あの日、広島に原爆が落ちた日、地獄を見た一本のエノキの木。


しかし、奇跡的に枯れることもなく、内部が焼けて空洞になりながらも、再びよみがえり、緑の葉っぱをつけていた。


心ない人々が空洞になっているうろの部分に空き缶を捨てたりしていたが、近くの元町小学校の子どもたちが、自発的にゴミを拾ってきれいにし、水をあげて、大事に樹を守るようになった。


このエノキは原爆を生きのびてきた、という主旨の立札も近くに立て、大事にしていたが、台風で幹が折れてしまった。


子どもたちは水をやり、花を飾り、歌をうたって、木を元気づけようとしたそうである。
福岡や大阪の小学生からもこの樹のために千羽鶴が送られたそうだ。


その甲斐があったのと、木の医師の方が適切な治療をしてくれたおかげで、エノキはよみがえり、また若芽が出てきたそうである。


多くの人に読んで欲しい名作絵本だった。