絵本 「一つの花」

一つの花 (おはなし名作絵本 21)

一つの花 (おはなし名作絵本 21)


今から出征していくお父さんを見送る小さな娘が、「一つだけ」とねだるのに対し、お父さんは駅の隅に生えていたコスモスを一輪とって手渡す。

戦後、貧しいトタン屋根の家に、ときどきたくさんのコスモスが周りに咲いている家が本当にしばしばあったそうだ。

作者は、その思い出から、この物語を紡いだという。

心に残る絵本だった。

食べ物が不足する貧しさも、そして父親が家族をのこして兵隊としていかなければならないことも、戦争がもたらすこと。
そのことを、忘れてはならないのだと思う。
そして、戦争で死んでいった人々が託した、平和への願いも。