
- 作者: 産経新聞社
- 出版社/メーカー: 産経新聞出版
- 発売日: 2011/04/22
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 330回
- この商品を含むブログ (26件) を見る
東日本大震災について、リアルな写真の数々や、わかりやすいデータがまとめられてあり、あの震災が何だったのかを振り返るために、とても参考になる一冊ではないかと思う。
朝日や読売から出ている東日本大震災の報道写真集と比較すると、ハイパーレスキュー隊や自衛隊や米軍の活躍についてよく取材した欄があり、その点でもためになる。
ハイパーレスキュー隊や自衛隊や、現場の東電や協力会社の社員たちの英雄的な奮闘には本当に胸を打たれる。
一方、いちはやく現場から逃げ出した保安院の職員とは、いったい何だったのだろう…。
原発事故関連のまとめもわかりやすかった。
ベントの遅れの原因は首相の現場視察ではなかったこともきちんと公正に明記してある。
震災によって日本の生産力や各種の力がいかに大きく落ち込んだか、そこから一ヶ月で急速にどこまで回復したかも、わかりやすくデータでまとめてあった。
ただ、産経のカラーなのかもしれないが、菅総理に対してややバイアスのかかった批判がある気がする。
「東電の見通しは甘い、どうなってるんだ!」と菅総理が震災直後に叱っていたことを批判的に書いてあるけれど、いま考えれば菅総理のその感覚の方が適切だったのではないか。
ただ、総理に対して過度なバイアスのかかった批判を割り引けば、その他のことについては良い記事が多かったと思う。
朝日や読売や共同通信のものと合わせて、あの震災を把握するために広く読まれるべき本だと思う。