ジェームズ・アレン 「正しい人」

ジェームズ・アレンの「正しい人」という詩を訳してみた。

人たるもの、このようにありたい。
また、今の世において人の上に立つ人は、このようであって欲しい。






「正しい人」 ジェームズ・アレン


いかなる害のある矢も、正しい人に届くことはできない。
正しい人は、憎しみの嵐の中にもまっすぐに立ち、
いかなる攻撃や傷つけや圧迫も平然と寄せ付けない。
運命に恐れおののく奴隷たちに囲まれながらも。


沈黙の力に満ち満ちて、威厳あり、
静穏に彼は立つ。何ものも彼を変えることも向きをそらすこともできない。
最もつらく苦しい時においても、忍耐と確固とした態度を持つ。
彼は時を従わせる。彼は死と運命をはねつける。


怒りのどす黒い稲光が彼の周りでうごめき、
地獄の淵の雷が彼の頭の側に鳴り響いても、
彼は気にとめることはない。
なぜならば、それらのものは彼を倒すことはできないから。
土と時と空間から逃れ去ったところに彼は立つ。


不滅の愛に守られているのに、何の恐れが彼をとらえようか?
変わることなき真実の鎧を身にまとっている彼は、
失うことと得ることについて何を知ることができるだろうか?
― 彼は永遠を知る。
彼は、陰が去り来ることに心動かされることはない。


不死の者と彼を呼べ。真実と、光と、彼を呼べ。
預言者のような偉大な輝きを放つ者だと。
そのように、彼は夜の力のさなかも耐え続ける。
神々しい光を身にまといながら。



“The righteous man” James Allen


No harmful shaft can reach the righteous man,
Standing erect amid the storms of hate,
Defying hurt and injury and ban,
Surrounded by the trembling slaves of Fate.


Majestic in the strength of silent power,
Serene he stands, nor changes not nor turns ;
Patient and firm in suffering’s darkest hour,
Time bends to him, and death and doom he spurns.


Wrath’s lurid lightnings round about him play,
And hell’s deep thunders roll about his head ;
Yet heeds he not, for him they cannot slay
Who stands whence earth and time and space are fled.


Sheltered by deathless love, what fear hath he?
Armoured in changeless Truth, what can he know
Of loss and gain? Knowing eternity,
He moves not whilst the shadows come and go.


Call him immortal, call him Truth and Light
And splendour of prophetic majesty
Who bideth thus amid the powers of Night,
Clothed with the glory of divinity.