枝野さんの発言もマスコミは歪めて伝えていまいか

脱原発」、政府方針でない=菅首相が表明、野党は批判 (時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011071500803


この時事通信の記事、


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枝野幸男官房長官は15日午後の記者会見で、「脱原発依存」について「長期の目標として首相が個人として持っている思い」と説明した上で、閣内で認識を共有するため、来週にも全閣僚で原子力政策を協議する場を設ける意向を明らかにした。 
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とあるが、これは随分枝野さんの発言を歪めて切り取ったものではないかと思う。


まず、枝野さんは、14日の記者会見で、


前日の菅総理の演説について、


原発の依存を減らしていくことは、以前から言われていたことで、内閣で共有されている。これから先のことは国民的議論が必要。

・大震災を体験したものとして、菅総理の間近でともに体験してきたものとして、この体験をした政治家が国民的議論の方向性を示すという事に責任があるということは、同感である。

・安全性を高め、段階的に依存度を下げていくことへのコンセンサスはある。内閣や与党内部のみでなく、野党とも、そのこと自体にはコンセンサスがある。

・短期中期のことはコンセンサスがある。

・短期、中期、長期のことは区別して総理は語っている。

菅総理の昨日の演説における、長期的には原発をなくすということは、今すぐにどうこうするという話で言ったわけではない、そうした方向性を視野に入れた検討が望ましいということである。

・中期的に依存度を下げることは、与野党ともにコンセンサスがある。


という内容のことを述べている。


動画できちんとすべての記者会見を視聴できるので、ぜひ見ていただきたい。

http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg5091.html


さらに、15日の記者会見では、この14日のものを踏まえて、昨日も話したことを前置きしたうえで、

コンセンサスができている短期中期の話と、そこから先の目標として総理の思いとして持っていることを、しっかり区別してお話されている。
それらの区別がされずに受け取られているとしたら、残念である。

ということを述べられている。


さらに、全閣僚の原発についての対話も、今までもしてきたが、さらにしたいと思う、という発言なのに、どうも上の記事ではだいぶ印象が違う文章になっているように思う。


岡田さんの発言も、マスコミはしょっちゅう歪めて報道しているが、どうも枝野さんの発言も、それだけ聞けば誤解するような形でマスコミが報道しているような気がする。


どう考えても、枝野さんは、菅総理をしっかり守り、助けようとされているし、菅総理の13日の演説の正確な主旨をきちんと記者に説明し、短期・中期のことには本当は以前から言われていたし、内閣・与党・野党ともコンセンサスがあるはずである、ということを繰り返し述べている。


なのに、こうした枝野さんの全体の発言の主旨を歪め、部分だけ切り取ってあたかも菅総理と枝野さんの間に齟齬があるように、マスコミは印象操作をしていないだろうか。
あるいは、過度に菅総理の演説をコンセンサスなき孤立したものとして印象付けようとしているのではないだろうか。


岡田さんに対してもそうだったが、大事なことは、こうした断片的なマスコミの記事に振り回されず、記者会見を今は動画で視聴できるので、きちんと正確に見てから、判断することだと思う。