自ら身を切っての節倹、見事

首相、6月から給与返上を表明
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110511k0000m010086000c.html


菅総理は、毎月の給料のうち、半分以上をこれから国庫に自主返納するという。

自らの身を切っての節倹。
見事だと思う。

前任者が、実母から12億4500万円の贈与を受け、その申告がなされておらず、あとで6億970万円の贈与税を支払ったとはいえ、そのうち1億3千万円は時効ということで再び還付され、とうとうそれを自らの懐に収めたのとは、雲泥の差の態度と思う。

従来の原発行政に深く関わりながら、政府を批判ばかりしてきた自民党や小沢派の議員たちは、自分たちの給料の一部でも自主返納を申し出たことがあるのだろうか。
また、東電の上層部や原発行政に携わってきた官僚たちも。

彼らも首相を見習い、国民に増税や電力値上げを押し付ける前に、まずは自ら菅総理のように給料の半分とはいかないとしても、一部でも返納すべきではないか。

門閥出身の人間であれば、巨万の財産を持っているために、多少給料が減ってもなんということはないだろうが、そうした政治家たちが給料の自主返納を申し出たという話はついぞ聞かない。
菅総理は、ごく普通の庶民で、さして資産もないので、本来であればかなり給料カットは家計に響くはずだが、それでも自ら率先してこうした動きをすることは、とても評価されてしかるべきと思う。


また、「原子力事故調査委員会」を立ち上げることや、新エネルギー政策を進めることを明言していることも、素晴らしい英断だと思う。

これらは何もいまはじめて言われたことで、以前から菅首相は明言している。

3月29日の参院予算委員会において、すでに太陽光やバイオマスについて述べている。

内閣総理大臣菅直人君) いずれにいたしましても、大きな事故でありますので、今申し上げたような原因を含め、しっかりと検証する必要がある。また同時に、このエネルギー政策全般の中でも、我が国は太陽エネルギーあるいはバイオマスエネルギーなどクリーンなエネルギーについてもかなり力を入れてまいりましたので、そういうものも併せてどう日本のエネルギー政策を取っていくべきか、これはまた改めて議論が必要だろうと、こう思っております。

と述べていた。
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=25054&SAVED_RID=1&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=9&DOC_ID=7780&DPAGE=1&DTOTAL=1&DPOS=1&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=25234

1日の参院予算委員会でも、首相は、原子力行政の抜本的見直しを掲げ、原子力依存を改めて太陽光・バイオマスなど新たなエネルギー重視への転換を主張してきた。

菅首相:G8サミットで新エネルギー政策表明へ】(5月1日)

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110502k0000m010105000c.html


さらに、4月28日の衆院代表質問で、独立した第三者委員会による原発事故・行政の徹底的検証を行うことは明言している。

http://www.asahi.com/politics/update/0428/TKY201104280553.html


こうした、第三者委員会による徹底検証や新エネルギー政策への菅総理の取り組みや努力を、一部のマスコミはろくにとりあげず、相も変らぬ悪罵やネガキャンばかり張ってきた。

それらの逆風に負けず、国家国民のために、浜岡原発停止の英断を下し、そして今また自らの身を切って給料返納を申し出た菅総理は、本当に立派な人物だとあらためて思う。

心ある国民は、菅総理のこうした態度を高く評価し、支持し、盛り立てていくべきではなかろうか。

心ある政治家を叩きのめし、自らの身を切らず責任を負わず口ばかりの政治家やマスコミに安易に煽動されるような国民ばかりであれば、この国の将来は暗澹たるものになるのではないか。

一方、こうした心ある政治家の立派な行為を、きちんと支持していく心ある国民が多ければ、その国はいかなる困難にも挫けず、ひとつにまとまりながら乗り越えていけることだろう。