一般国民にとって有意義な情報発信と原子力政策を問う第三者機関の設立を

4月18日付の西日本新聞の夕刊に、柳田邦男さんの「原発情報無策を問う 納得できる説明急げ」という文章が載っており、とても共感させられた。

柳田さんは、災害や事故に関する情報が被災者や一般国民にとって有効な意味を持つには、

1、 今何が起きているかの正確な状況の把握
2、 これからどうなるのかの見通し
3、 一般人にもわかりやすいこと
4、 日常から起こり得る事態と対応策(避難対策を含む)について啓発活動をしておくこと

の四点が重要だと指摘している。

そして、今回の原発災害では、この四つの条件すべてにおいて失策だったと指摘し、東電や原子力の専門家の説明の仕方に疑問を呈している。

さらに、かねて東電の津波想定は甘いと地震学の専門家や経産省の審議会で報告されてきたのに、原子力・安全保安院原子力安全委員会もそうした警告を無視して、東電の甘い津波予測を了承してきたことを指摘。

前記四条件にもとづく説明と、

「なぜこのような原子力政策がまかり通ってきたのか、第三者機関による徹底検証が必要だ。」

との提言は、非常に納得のいく、共感させられるものだった。

菅首相は、「回復と再生に向けた日本の道」の中で、

一、 すべての市民の、特に原発の付近の住民の、安全と健康を最優先に扱うこと
二、 徹底的な危機管理を行うこと
三、 将来のあらゆる状況に対応するための準備を十分にするために、あらゆる可能なシナリオを計画考慮すること。

の三つを原発事故の対応の原則として掲げている。

そうであれば、柳田さんが挙げている四条件を情報発信や説明の際には最大限重視し、東電や原子力専門家にこの四つに沿うようにさせるべきであろう。

さらに、早急に、今までの原子力政策を問う第三者機関を設立すべきと思う。

この柳田さんのような提言に耳を傾け、きちんと実行してこそ、菅首相は国民の支持や信頼を得られ、この危機を乗り越えることもできるのではなかろうか。

与野党とも、首相の続投か退陣かというよりも、まずはこのような四条件の徹底と第三者機関の設立・検証をこそ、求めて実行していって欲しい。