金子みすずの詩集をぱらぱらっとめくっていたら、「草の名」という詩にも心打たれた。
これって、まさに草莽の精神をうたった詩ではなかろうか。
人の知らない草の名を、いくつも探し、見つけていくこと。
金子みすずも、長い間、世に忘れられ、埋もれていたのを、矢崎節夫さんがひとりで大変な努力で掘り起こして世に広めたそうである。
「人の知ってる草の名」ばかりでなく、「人の知らない草の名」にこそ、本当に大事なものがあり、それを知っていくところに、人生の妙味も、歴史の本当の継承ということも、あるのではないかと思う。