文言が消えたか消えないかはさほど重要ではないのでは?

民主党の新ポスターから「国民の生活が第一。」が消えた
http://gendai.net/articles/view/syakai/128342

まだその新しいポスターを見ていないのでなんとも言えないけれど、単に表面上「国民の生活が第一」という文言が消えたから民主党の路線が変わったかのような意見はどうなのだろう。

そもそも、民主党以外の他の政党の基本文書や綱領を見ても、自民党も「国民生活の充実」「国民生活の安全」など言っているし、みんなの党は「生活重視」、社民党は「生活再建」、共産党は「国民生活の安全の確保」などをそれぞれ掲げている。

また、民主党のHPを見ると今でも「国民の生活が第一」と右上に書いてあるし、べつにその方針を撤回したというわけではなかろう。

今度の新しいポスターは、地方分権社会保障子育て支援、雇用・成長戦略、農業、税金の無駄遣い一掃の六つの項目について書き、2011年度予算への反映や、事業仕分けなどの実績を訴えているそうである。

要は、漠然とした「国民生活が第一」という文言より、その理念のために何を実際に行ってきたのか、これからどうするのか、ということを民主党なりに打ち出そうとしているということなのではないかと思う。

それについて他の政策の提案やその根拠を問いただすことなどは大事な作業と思うが、単に「国民生活が第一」という文言がポスターから消えたからといってあたかも民主党の変質や国民生活のための政策を放棄したかのように言うのは、非常に粗雑な、ためにするような揚げ足取りのアジテーションではなかろうか。

「国民生活が第一」というような文言は、だいたいどの政党も同じようなことを言っているのだし、要は具体的にそれをどう実現するかという話であろう。
大まかなスローガンだけ唱えても意味のないことだし、私はより細かく具体的な項目に分けて記述すること自体は有権者にとってより判断しやすくするという点で良いことだと思う。
もちろん、それを見て民主党に支持を与えようと思うか、やっぱりやめとこうと思うかは別の話だが。