この記事通りならば更迭は当然

首相怒り爆発 駐露大使更迭へ

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101224k0000m010106000c.html

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 メドベージェフ大統領が9月下旬に北方領土を「近く訪問する」と明言、10月下旬に訪問の観測記事が頻繁に流されて以降も、外務省は首相官邸に「訪問はない」と報告し続けた。菅直人首相は、周辺に「本当に行かないのか」と繰り返し確認したが、返ってきたのは「大使館からの情報では『訪問はない』ということです」との答えばかりだった。
 だが、大統領は11月1日、北方領土国後島への訪問に踏み切った。一時帰国を命じられ、同月3日午前に帰国した河野大使は、同日夕、外務省の佐々江賢一郎事務次官、小寺次郎欧州局長らとともに首相公邸に呼び出された。菅首相仙谷由人官房長官が事情聴取を始めた。
 「なぜだ。なぜ訪問しないと判断したのだ」。官邸側から問いただされ、河野大使は「ロシア外務省からそういう報告を受けていましたから」と答えた。これに菅首相はカチンときた。「そんなことは聞いていない。誰が言ったかじゃなく、どうしてそう思ったんだ」
 口ごもる河野大使を見て、仙谷長官が助け舟を出した。「大統領はプーチン首相との関係など、いろいろあるのじゃないのか。そのあたりの判断は」。だが、河野大使の口は重くなる一方だった。
 「要するにどういうことだ」。いら立つ首相ら。最後に、河野大使はこう口走ってしまった。「私はあまりロシアに詳しくないので……」。次の瞬間、首相らの怒りが爆発した。 <<


この記事がもし本当ならば、唖然とする。

更迭されるのは当然だろう。

「私はあまりロシアに詳しくないので……」。

。。。

そんな人物がその国の大使に任命される外務省の人事の仕組みが本当に唖然とさせられる。

そういえば、昔、外務省を伏魔殿と田中真紀子さんが言っていたなぁ。
田中さん自身の是非はおくとして、ちょっと、その国にも詳しくなく、ろくな情勢分析もしないような人間が大使となるような省庁だったとしたら、伏魔殿と言うかなんというか、一度きちんと体質を改めた方が良いと思う。

冷戦時代は、基本的に自民党は自主外交・自主防衛をする気が全くなく、対米追従一辺倒だったため、外交や軍事というのは基本的になんの頭脳もいらないルーティンワークだったのかもしれない。
その時代であれば、大使はその国に詳しくない人間がやっても大過なかったかもしれないし、外務省も別にさほど優秀な人間がそろっていなくても大丈夫だったかもしれない。

しかし、今の時代は、外交も国防も高度な判断とそのための正確な情報を要する時代である。

菅政権が国防政策において動的防衛概念を導入して、冷戦時代の時代遅れな北海道の陸上戦想定の従来のあり方を改めたことは、自民党の怠惰に比べればはるかに評価できる。
外交政策においても、惰眠をむさぼり無策無能な外務官僚は更迭や降格し、情報収集能力や分析能力をきちんと持った人材の確保と育成と評価に努力して欲しいものだ。

にしても、外務省、外務省改革というのをこの数年やってきたはずなんだが。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/kai_genjo/index.html

肝心の大使、特にロシアのような重要国の大使にきちんとした人材がいかないような改革など、いったい何なのだろう。

十年一日のように全く解決していない北方領土問題を見ても、いいかげんにロシアとの交渉がきちんと進むように、意欲と能力を持った人材をロシア関連部門にはきちんと集めて欲しいものである。



そういえば、最近ドラマであっていた「坂の上の雲」で、史実かどうかはわからないけれど、諜報活動に身命を賭けて奔走する明石元二郎に対し、現地の外務省の役人がきわめて冷淡というシーンがあった。
明治の頃も、外務省の役人というのはあまり役に立たず、本当に外交や情報収集・工作に抜群の働きをし、歴史をつくったのは明石元二郎高橋是清や金子堅太郎のような外務官僚ではない人物だったのかもしれない。
しかし、本来であれば、外務省にそれぐらいの人物が集まって欲しいものである。