クロ現 貧しくて学べない 高校中退者増加

(2009年3月記す)

以前、クローズアップ現代で、「貧しくて学べない」という高校中退者増加についての特集があっていた。

http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2712

(以下はその番組を見た時の感想)



私立高校など、高額な学費が支払えず、退学するケースが増えているらしい。

私立だけでなく、公立高校でも、ある高校の場合、二百二十人入学して、卒業したのは百二十人ほど、というケースもあるそうだ。
経済的な苦境によって、就学に困難を来たす若者が、とんでもなく増えてきているらしい。

最近は、バイトの求人も、高卒以上を資格にする場合もあるらしく、高校中退の場合は、就業にもかなり困難な場合も多いらしい。

なんというか、番組を見ていて、暗澹たる気持ちになった。
いつからこんな国になったのだろう。

あんまり奨学金や学費免除のシステムが、あることにはあっても、日本においてはまだまだ十分でないらしい。
また、終身雇用や年功序列の崩壊や、リストラが吹き荒れていることも、こうした状況の理由なのだろう。

いろんな理由があって、一口には言えないのだろうとは思う。
経済的な不況や不景気は必ずしも誰のせいとは言えないのだろう。

とはいえ、機会の平等がきちんと保障されない世の中というのは、やっぱりろくなものじゃないし、これからますますろくな結果は生まないだろう。

機会の平等をきちんと保障しようとする意思や努力を放棄した、小泉改革やその結果の格差社会の進展は、いまいろんなところで、とんでもないひずみを起こしている。

ちょっと、いいかげんに国のあり方や、機会の平等の保障ということを真剣に考えないと、次の時代を担う世代からして、この国は致命的な打撃を蒙るのではないかと思う。

かつての東側諸国の掲げた社会主義のように、結果の平等まで求めろとは思わない。
しかし、この社会で各人がそれぞれの能力を発揮し、自分の責任で人生を切り開くために、まずはその機会が平等に与えられるように、教育や医療や福祉を工夫することは、リベリラリズムの国家としても当然の責務であり、義務であろう。

このような国の始末になったことを、先祖にも子孫にも、本当に申し訳ないと思えてならない。



(その後、政権交代があり、高校無償化が進んだ。その後、高校中退者の人数などはどうなったのだろう。その後の詳しい調査や検討を知りたい。)