(2009年三月記す)
以前、クローズアップ現代で、最近は病院に行けない子ども達が増えているという特集があっていた。
「病院に行けないこどもたち」
http://veohdownload.blog37.fc2.com/blog-entry-1908.html
医療費の支払いができないため、病院に行くことができず、学校の保健室にかけこんでくる子どもが増えていると。
無保険の子どもが、いま三万人ぐらいいるそうだ。
その状態を改善するために、いちおう、十五歳以下の子どもには、健康保険証が配られる措置が今度とられるそうだけれど、三割負担も難しい家庭も多くなっているようで、それでも必ずしも医療を受けられない子どもは依然として多いのではないかと危惧されているようだ。
なんというか、米軍には住宅やらなんやら湯水のように思いやり予算を使い、基地の移転費用に惜し気もなく金をぽんとやって、しかも天下りには巨額の税金を使いながら、多くの子どもが病院に通えず保健室にかけこむとは、この国の腐り具合はいったいなんだろうと改めて唖然とする。
現在、子どもへの医療費支援は、市町村によってかなりの格差があるようで、大半の市町村は小学校に通う以前の子どもぐらいになんらかの助成がある程度なのに対し、中学三年以下にも手厚い医療支援がある市町村もあるらしい。
最近、群馬県が、県全部の市町村で中学三年生以下の子どものすべての医療費を無料にすることを決めたらしい。
すでに先行して無料化していた前橋市などの事例が、全体を引っ張ったようだ。
無料にすると、医療費がかさむのではないかという危惧や批判があったのに対し、子どもは十歳以上になると病院に通う件数がぐっと減るという統計や、早期に治療することでかえって医療費は抑えられるという事例などを示し、今回の決断に至ったらしい。
国としても、群馬の事例を参考にして、なんらかの手立てをすべきではなかろうか。
大人が、自己責任で医療にある程度の差ができるのは、まだしもある程度はやむをえないのかもしれないが、子どもが親の経済状況などであまりにも受けられる医療の格差が生じ、早期に治療すれば治る病気や怪我で死亡したり一生苦しむことなどになれば、貴重な人材を国家として失うやもしれず、共に生きていくべき国民国家としてはあるまじきことだろう。
なんというか、番組を見ていて、昭和初期の頃とあんまり変わらなくなってきているのではないかと、甚だ憂慮されてきた。
(その後、政権交代があったが、この問題については、具体的にどうなっているのだろう。その後の統計や追跡調査を知りたいものだ。)