梯実円「花と詩と念仏」よりメモ
「生にとらわれて死を拒絶することも、死にあこがれて生を拒絶することも、ともに正しく人生を見ていない。
生死を越えるとは、生と死を真反対のこととして把える思考の枠を破って生と死を等分に見ていけるような視点を確立し、生きることも尊いことだが、死もまた尊い意味を持っているといえるような精神の領域を開いていくことだ。
そのような人にとって、若き時も、老いてからも、健康も病いも、愛するものにも、憎まねばならないような相手に対しても、等分に、尊い意味を確認して合掌しつつすべてを受けこむことができる。」