加藤周一の番組を見てのメモ

2008年にETV特集であった加藤周一の追悼番組を見てのメモ


※「思想の第一部」:「何が起こっているのか?」(事実認識

(戦う前に、何が相手なのか、何が敵なのか、よく理解すること)


※「思想の第二部」:「だからどうしようか?」(処方箋)

(システムが強まり、個人の影響力が弱まり、専門分化が進んだ時代において、なんとか、全体として人間的に行く道や先を指し示していくこと。)
(人間らしさを、少しでもこの世界に再生させるために、少しでも自分の影響力を駆使すること)




「だんだんシステムが強くなって、個人の影響力は弱まっていく。

専門分化が進んで、全体として人間的に行く先を指し示すことができる人がいない時代となってきた。

明治以来、日本は、非人格化・非個性化・非人間化を進め、そのことによって経済的な発展や軍事的な力を身につけてきた。
しかし、そのことによる代償は考えた方がいい。

そのような時代であるからこそ、知識人は、少しでも、自分の思想的な影響をあらゆる場面で及ぼすよう努力すべきだ。

思想とは何か。
それは、一部と二部の二つから成っている。

第一部とは、事実認識であり、「何が起こっているか」をまず知り、把握することである。

思想の第二部とは、「だからどうしようか」ということ、事実認識の上に立って、じゃあどうしようか、ということを示すことである。

人間らしさを、この世界の中に、再生させる努力が必要である。

戦う前に、何が相手なのか、何が敵なのか、よく理解することが大事である。」