映画「母 小林多喜二の母の物語」を見て

映画「母 小林多喜二の母の物語」を見た。
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とても胸打たれる、良い映画だった。


小林多喜二の母・セキの役を寺島しのぶが演じていて、好演していた。
たぶん、寺島しのぶの最高傑作なのではなかろうか。


原作は三浦綾子だそうで、いつか読んでみたいと思った。


小林多喜二の母・セキは、多喜二の死後、ずいぶん経ってから、クリスチャンになったそうである。
映画の中で、牧師さんに、セキが、「あの子は天国に行ったのでしょうか?」と尋ねるシーンがあった。
すると、牧師さんが、「聖書の中には、小さな者にしたことはわたしにしたことである、とイエス様がおっしゃられる箇所があります。
多喜二さんは弱い人たちや貧しい人たちに随分尽くされました。
小さな者とは、弱い人々や貧しい人々のことです。
それらの人々にしてあげたことは、すべてイエス様にしてあげたことです。
ですので、多喜二さんは間違いなく天国におられると思います。」と答えていた。
そして、セキが、「だったらまたいつか会えるでしょうか」と尋ねると、「きっと会えますよ」と牧師さんが答えているシーンがあった。


世の中には、無神論者や共産主義者は天国に行けないとか地獄に落ちるとか、キリストを信じないというだけで天国に行けないというクリスチャンもしばしばいるようだけれど、私はこの牧師さんが言う通りだと思った。


それにしても、なんと残酷なひどい時代だったのだろうと、あらためて心痛まずにはおれなかった。
多喜二の死を悼んで寄せられたという魯迅の文章も作中に少し触れられていたが、それにも胸を打たれるものがあった。
いつか小樽に行って、小林セキのお墓にも参りたいものである。