先日、テレビで劇の「川上音二郎・貞奴物語」の中継があっていたのを録画していたので、今日見た。
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いやぁ〜、面白かった。
川上音二郎は、明治に破天荒な人生を送った博多出身の自由民権運動家・演劇家。
福岡の人間として、いくばくかは知っていたけれど、さほど詳しくはないので、とても興味深く面白かった。
この劇はいろんなエピソードが盛り込まれてて本当面白おかしくできていて、音二郎の魅力を新鮮によみがえらせていて、とても良かったと思う。
自由民権運動の時に演説のたびにつかまって、投獄回数百八十回以上を数えたとは、なんともすごいエピソードである。
そのあと、劇場をつくって失敗したり、なにせ破天荒で面白かった。
衆議院選挙に出馬して演説のたびに大人気を博するが、なにせ選挙権のない貧しい人々と女性からばかり人気があって、肝心の票はたったの二票しか集まらず、全財産を使い切って破産。
そのあと夜逃げ同然で船に乗って大洋に乗り出し、アシカの大群に包囲されて九死に一生を得る、などなど、なにせおもしろすぎる。
いくたび無一文になったり失敗しても、そのたびにくじけず、あきらめず、再び七転び八起きして夢に向かったその生き様は、なにせ明るくて元気に満ちた、さすが博多の人間という気がする。
また、こんな音二郎にどこまでもついていった貞奴もたいしたものだろう。
劇では、音二郎と相対する伊藤博文や金子堅太郎もなかなかユーモラスに生き生きとその立場をよく理解して描かれていて、その点も面白かった。
イプセンの「民衆の敵」という劇中劇も面白そうだったので、いつか探して戯曲を読んでみようかなあ。
「一番強いのは、あきらめず、夢を捨てない、孤立した人間」
というラストのセリフは、本当にそうだなあ〜っと思った。