ジャター・スッタ 偈文

「ジャター・スッタ」(Jatā Sutta)(相応部経典第一巻)


Sīle patiṭṭhāya naro sapañño,
Cittaṃ paññañ ca bhāvayaṃ;
Ātāpī nipako bhikkhu,
So imaṃ vijaṭaye jaṭaṃ.


スィーレ・パティッターヤ・ナロー・サンパンニョー、
チッタン・パンニャン・チャ・バーワヤン、
アーターピ・ニパコー・ビックー、
ソー・イマン・ヴィジャタイェー・ジャタン


「知恵を具えた人は、道徳を守って自らを安定させ、
心を育て、智慧を育て、
努力して優れた智慧のある人になる。
そのような修行者は、この結び目をほどき自由になる。」


ある神様が「人間には内側にも外側にもいろんな「結び」(結び目、束縛するもの)があるが、それをほどくにはどうすればいいのか?どうすれば束縛を解いて自由になれるのか?」とブッダ釈尊に質問したのに対し、ブッダ釈尊はこの偈を御答えになられたと。


ちなみに、偈文中のチッタ・バーワナーはサマーディ瞑想(サマタ瞑想)のことで、パンニャー・バーワナーはヴィパッサナーのこと。
戒(道徳)を守り、サマタ瞑想をし、ヴィパッサナ―瞑想をすることが、自分を安定させ、高い智慧(ニパコー)を身につけ、人生のもつれや結び目をほどき、本当に自由になる、自ら自由になる力を自ら育て培っていく。


「清浄道論」は、このジャター・スッタの偈文を解説したもの。
諸仏通誡偈と並ぶ、仏教では最も重要な偈の一つ。