「ナンとジョー先生 完結版」


世界名作劇場のアニメ『ナンとジョー先生』は、放送されていた頃は私は一度も見たことがなかった。
なので、今回はじめてこの総集編を見てみたのだけれど、とても良い作品だったと思う。

若草物語』の次女のジョーが、親を亡くした子どもや問題を抱えている子どもを集めて育てる学校を夫と一緒に運営している。
その学校での物語が本作。
「あたたかい思いやりのある家庭」のような学校を目指し、中にはかなりの問題児もいるのだけれど、忍耐強く優しく一緒に乗り越えていくジョーの様子はまさに教師そして大人の手本。

とかく、大人になると、心がひからびて、他人にも無関心になっていくけれど、人の良いところを見つけてそれを倍以上に膨らませていくことや、本当にその人のことを大切に思い信頼し優しく接することなど、あらためて教えられる気がした。

夢に向かって、毎日ちょっとずつ努力することや、あきらめないことを子どもたちに教えるということは、本当に大切なことだろう。
そして、何よりも大切なことは、言葉よりも、深い愛情をそそぐことで、信頼されることによって信頼に応えるように成長していくことを気長に待つことなんだと思う。

それにしても、若草物語の姉妹たちは、本作だと、もうすでに一人死去しているし、一人は夫に先立たれるし、なかなか人生は大変なものだなぁとあらためて考えさせられる。
それでも、優しくしっかりと生きている主人公たちは、昔子どもの頃よくわからずに思っていたより、ずっと深い作品だったんだなぁと思った。
そのうち、前作の方も見てみたい。