2013 カティナ衣法要

先日、広島の慈しみ寺のカティナ衣法要に参加してきた。
去年も参加できたが、今年も参加でき、本当に良かった。


今回は、マヒンダ大長老やデニヤーイェ長老に、他にも三人のスリランカから来られた僧侶の方々を合わせて五人もの僧侶の方が素晴らしい読経をしてくださり、本当に素晴らしかった。


昨年と同様、夜通しでカティナ衣を縫い、私もちょっとだけ縫ったり、衣を広げたり畳むのをちょっとだけ手伝えて本当に良かった。


マヒンダ大長老にも、ちょっと質問させていただく機会があり、


「どうも自分は気弱になったり世の中に対して悲観的になることがあるのだけれど、どうすれば強いポジティブな心を持つことができるでしょうか?」


と英語で質問したところ、


「二つポイントがあり、ひとつは目的をはっきりさせることと、ふたつめはその目的と、その目的に向かって努力して得た成果について、夜寝る前に、そして朝起きた直後に、繰り返し思い出すことです。」


と英語で答えてくださり、なるほどーっと思った。
忘れずに実践しよう。


一年ぶりにマヒンダ大長老にはお会いしたけれど、その慈悲と智慧にあふれたまなざしに、ただただあらためてお会いできたありがたさを感じ入るばかりだった。


いかなる仏縁あってか、このような貴重な御縁に遇わせていただき、ただただ仏法僧に感謝。
このところ、瞑想や読経をさぼってたので、きちんとこれから励むようにしよう。


慈しみ寺HP
http://www.itsukushimi.org/


慈しみ寺FB
https://www.facebook.com/pages/%E6%85%88%E3%81%97%E3%81%BF%E5%AF%BA/250569321747527



備忘録として、カティナ衣法要におけるマヒンダ大長老の御法話をタイピングしてみた。
私の聴き間違いもあるかもしれないが、おおむね、以下のような御話で、あらためて、カティナ衣法要の素晴らしさをひしひしと思う。






二〇一三年 慈しみ寺 カティナ衣法要 マヒンダ大長老御法話



皆様、おはようございます。


今日皆様が行いました行事が、仏教で教えられるところでは、最も効果がある、功徳のある行事とされています。
仏教では八つの功徳のある行事が教えられています。その中でも最も功徳のある行事が、このカティナの御布施の行事です。
この伝統は、二千六百年前から伝わってきた伝統です。最も古い歴史がある功徳の行事です。


雨安居とは、雨の時期に、ふだんはダンマ(お釈迦様の教え・真理)を伝えるために移動されていた比丘(仏教の僧侶)の方々が、一つの場所にとどまって過ごすことです。そして、その地の在家の皆様ととともに心の成長に努力するように過ごすというのが、お釈迦様の教えられたことでした。


もともとインドには、雨安居の時期は出家者は外に出ないようにし、一箇所にとどまり、道徳的に自分を高めるという習慣がありました。
お釈迦様は、比丘たちにもそうするように教えてくださいました。


当時はいろんな宗教によって雨安居についても考え方が違ってはいたのですが、その中で、仏陀釈尊はこの三か月間を大切にし、心の成長を最も大事にし、皆様と過ごすことを教えてくださいました。


このような功徳の行事は、世界のどの文化でも見られるというわけではありません。
この功徳の行事、つまり雨安居やカティナは、仏教の世界にあるものであり、仏陀釈尊の御言葉が大事にされる人々によって大切にされてきた伝統です。
これも仏陀釈尊が、世界に対するあわれみの心で教えたことの一つだとされています。


普段からも仏教には袈裟に関する戒律のルールとその伝統があるのですが、カティナの場合にはさらに特別な教えがあり、特別な伝統や大事にされる戒律のルールがあります。
そのすべてを守り、カティナの御布施のために比丘の側も準備します。
ですので、カティナは特別な行事になります。


このカティナの行事に向かって準備することによって、カティナから生じる功徳の力が、効果が、比丘たちにも、参加してくださる皆様にも、大きな功徳の力となって及びます。
ですので、比丘と在家の両方からカティナを大事にして、この功徳の行事を行うべきだと仏陀釈尊は教えてくださっています。


仏陀釈尊は、比丘たちに自分が悟ったあとはいろんな場所に行って教えを伝えるように勧められていたのですが、このカティナの時期は一箇所にとどまり、その間にその周辺の在家者はダンマ(仏の教え・真理)を教えてもらい、理解を深めるようにすることが、仏陀釈尊によって教えられ、そのためにこのカティナの時期、雨安居の時期は使われてきました。


仏陀釈尊が生きておられた当時、ナーギタというバンテー(長老)様がおられました。
その方が、カティナを行うことによって、どのような効果を得ることができるかについて教えてくださいました。


ナーギタ・バンテー(長老)が教えてくださったカティナから恵まれることとは、次のようなものです。


カティナの結果として、カティナの時期に慈悲・感謝・尊敬の心を大切にし、功徳の力を高める努力をした結果、ナーギタ・バンテーは過去世で人間の中ではじめてカティナの御布施を行ってから、御自身が悪い生れになったことがないと教えてくださいました。
神々の中に生まれ変わっても、人間の中に生まれ変わっても、カティナのお布施を行うことによって恵まれてきたと教えてくださいました。
神々の中では帝釈天として何回も生まれ変わることができたと、ナーギタ・バンテーは長いお経の中で教えてくださっています。


どのような人も、このカティナの御布施に参加することにより、悩み苦しみが少なくなり、恵まれて生きることができ、恵まれた境涯に生まれることができ、恵まれて輪廻の中で生きていくための自分を成長させる力に恵まれることができると、教えられています。


一回、そして定期的に、このカティナの功徳の行事を行うと、自分の境涯からそれ以上悪い境涯に落ちることがなく、神々の間でも人間の間でも最高のものに恵まれてきたこと、そして今回生まれ変わった時には仏陀釈尊のもとで四聖諦を理解して悟ることができたと、過去の自分の経験から、ナーギタ・バンテーはそのお経の中で教えてくださっています。


今日は短時間でカティナの法要が終わってしまったのですが、ここに向かっては、皆様、多くの準備をされたと思います。
皆様方が、感謝と尊敬と慈悲を大切にして、今まで準備され、そのような心で行いました、この功徳の行事は、今から、今の自分よりレベルが落ちない結果を生じさせ、これから自分が道徳的に成長して生きていくために大事な功徳となります。
このような行事を今日行えましたことを、大変嬉しく思います。


ここに向かって、カティナの法要に向かって、この三か月間、丁寧に、しっかり、皆様が御自分の側から、いろんな準備をされたことを、私は時折聞く機会がありました。
この功徳の行事に向かって、皆様方、心から、いろんな準備をされてきたと思います。
私たちは、今までの清らかなエネルギー、清らかな力のおかげで、今生きているわけですが、これからも、いつか悟りに入るため、それまで生きていくためには、このいのちを保つためには、この功徳のカルマの力はとても大事な力になるとお釈迦様は教えてくださいました。
この三か月間、特に皆様方、心を清らかにして、この清らかな場所に集まって、五戒を守り、御布施を行い、瞑想を実践し、いろんな形の清らかな功徳の行事に参加されたことと思います。
その功徳のおかげで、また仏法僧の力のおかげで、皆様方の毎日の出来事が成功できますように、お元気でお幸せでありますように、すべてのサンガを代表して、祝福をいたします。



(以上)