- 作者: マイケルバーグ,Michael Berg,大沼忠弘
- 出版社/メーカー: イシス
- 発売日: 2011/04/01
- メディア: 単行本
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とても良い本だった。
カバラ、つまりユダヤ神秘主義のエッセンスが、とてもわかりやすく書かれていた。
著者が言うには、人生の目的とは、「神のようになる」ことだという。
これは何も難しいことではない。
通常、人は、「自分だけ受け取りたい」「自分だけは得したい」というエゴに衝き動かされている。
しかし、なるべくその気持ちを減らし、「惜しみなく分かち合う」という思いを増やしていくことが、「神のようになる」秘訣だという。
聖書の創世記には、人間は神に似せてかたちづくられたことが二回も繰り返し書かれている。
つまり、人間の本性が神と同じだと、強調されている。
たとえるならば、神は山で、人間はそこから離れた岩のようなものだという。
岩は、山の一部の時には山の一部だが、山から転がっていって外れてしまえば、ただの岩になる。
人間もそのようなもの。
しかし、自分は神のようになろうと思い、エゴを減らし、分かち合うことに努めれば、そこに光への道が開けていくのだという。
逆は闇だという。
非常にシンプルに、カバラの人生観が説かれていて、なるほどーっと思った。
カバラは、何も難しいことはなく、要はこのこと一つなのだろう。
「神のようになる」こと、あるいは「仏のようになる」こと。
そのことを心がけて、分かち合うことを一生涯努めれば、たしかに、光に満ちた人生になる気がする。
著者が言うには、人間は誰しも器であり、その人の確信に応じて、器が大きくもなり、小さくもなり、神の力を多く受けとめることができるそうである。
つまり、なるべくエゴを減らし、分かち合い、神のように生き、そうすれば必ずすばらしいことができると確信していると、宇宙の大きな力を盛ることができる器になる、ということだろう。
多くの人にお勧めしたい、すばらしい一冊だった。