- 作者: 石角完爾
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/11/09
- メディア: 単行本
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とても面白かった。
著者は、もともと日本人に生まれた生粋の日本人だが、なんと自ら望んで、ユダヤ教に改宗し、ユダヤ人になった人物。
ユダヤ教の場合、二年ぐらいは少なくともみっちりユダヤ教について勉強し、ラビに改宗を認められ、所定の手続きを踏み、試験に合格し、やっと改宗を認められるそうである。
しかも、男性の場合、割礼を受けねばならない。
この本には、割礼の体験談も具体的に書いてあり、それを読んでいて、ちょっと今の時点では、私はこれはあまりにも痛そうで、ユダヤ教にはまだ改宗する度胸がないなぁと正直感じられた…。
もっといろいろと勉強して、この著者の方と同じぐらいの六十歳前後の年齢になり、どうしても改宗したいと思ったら、その時にした方がいいかもと思った。
その前に、ユダヤ教についてもいろいろと自分で調べて勉強しつつ、仏教もみっちりもっとしっかり勉強した方がいいかもなぁと思った。
ただ、ユダヤ教は、この本を読んで、あらためて素晴らしい宗教と思った。
まず、神を信じるだけではユダヤ教の場合はだめだと考え、自分で問いを持ち、問い続けることをとても大切にするそうである。
また、祈りは、神との対話だと考え、聖書を読むことは神からのレクチャーで、そこから神との対話や議論がはじまると考えるそうである。
さらに、百五十人のユダヤ人ごとに一人のラビ(先生)がいなければならないという規定があるそうで、とても教育を大切にするそうだ。
ユダヤ教の場合、宗教は何よりも学習であり、聖書やタルムードを自分自身が勉強することが何よりも大事にされるそうである。
また、ホフマーというヘブライ語は、知恵とジョークという二つの意味を同時に持っているそうで、とても笑いを大切にするそうである。
また、しつこさや頑固さはユダヤ人の特徴であり、ぜんぜんあきらめたりしないところがあり、何があっても生き抜こうとすることが大切にされるそうだ。
「ラハイム」というのが乾杯の時に言われる言葉が、これは、何があっても生き抜こう、生きよう、という意味だそうである。
とても興味深い本だった。