- 作者: 矢内原忠雄
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/04/21
- メディア: 文庫
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良い本だった。
わかりやすくキリスト教について解説してあり、まとめてあった。
また、この本は、もっと言えば、「無教会主義キリスト教入門」としてとてもよくまとめてあると思った。
無教会主義とは、内村鑑三によって始められたもので、カトリックやプロテスタントの教会に属さなくても、洗礼や聖餐などの儀式を受けなくても、その人がイエスを救い主として信じるならば、それでOKという考え方。
この本の著者の矢内原忠雄は、内村鑑三の弟子にあたるそうで、戦後は東大総長も務めた人物。
それだけに、理路整然と、わかりやすく無教会主義のポイントを明晰に説き明かしてあった。
キリスト教一般、特に無教会主義に興味のある人には、良い一冊なのではないかと思う。
これを読んで、自分も無教会主義キリスト教徒にならなれるのではないか、いや、自分はクリスチャンじゃないとばっかり思ってたが、実は無教会主義のカテゴリーにはひょっとしたら入るんじゃないだろうか、と読んでて思えた。
その点は、実にありがたい本だった。
(追記) (2015年 2月7日)
しばらくして読み直して、あらためて舌を巻いた。
入門書というより、これはある意味、極意というか、キリスト教のエッセンスの本だと思う。
平明な文章なので、最初読む時はさらっとわかった気になっていたけれど、しばらくして読み直すと、いかにこの本が深い本か驚嘆させられる。
繰り返し味読すべき一冊。