絵本 「インディアンのはこぶね」

インディアンのはこぶね―ベネズエラの伝説

インディアンのはこぶね―ベネズエラの伝説


ノアの箱舟に似た話は世界中のあちこちに伝わるそうで、最も古いものはギルガメシュ叙事詩だそうだが、これはベネズエラに伝わる民話。

カリーニャという国で、カプターノという人が、間もまなく大洪水となると警告する。

たった四家族だけがその言葉を信じ、大きなカヌーをつくり、家族と家畜を連れて乗り込む。

大洪水で世界が水浸しになったあと、カプターノと生き残った人々は世界を再建する。

という物語、

読みながら、きちんと警告に聴く耳を持つかどうかということについて、あらためて考えさせられた。

現代において、高木仁三郎さんや、あるいは最近であれば菅さんらが、原発について警鐘を鳴らしてきた。
それに耳を貸さない人々は、カプターノやノアの言葉を聞かない人々によく似ているのかもしれない。

実際に古代において大洪水があったのか、あるいはそのような人間の愚かさを象徴的にあらわす物語として奇しくも世界中で似たような話が自然発生的に広まってきたのか。

カプターノやノアの物語は、今の日本にとっても他人事ではない物語なのかもしれない。