モーパーゴ 「シャングリラをあとにして」

シャングリラをあとにして

シャングリラをあとにして


とても良い本だった。

両親と暮らす女の子のところに、ある日突然、会ったこともない父の父、つまり祖父という人がやってくる。
祖父のポプシクルは、父が小さい時に家を出て行って、五十年ぶりとのこと。

再会の直後、ポプシクルは脳梗塞で倒れて記憶を部分的に失う。
いろんな出来事があって、記憶を取りもどし、六十年近く前に、ダンケルクの撤退作戦に参加したことを思い出す。

ダンケルクでやり残したことをするために、主人公の少女とポプシクルとその友人たちは、ポプシクルの持ち物である船に乗り込んでダンケルクへ向かう。

ちょうど去年の末頃、youtubeダンケルク撤退のBBCのドラマを見たりしていたので、あの戦場がどれだけひどいものだったか、どんなに大変だったか、もちろん遠い後世の私に本当のところはわかるはずがないけれど、感情移入して読むことができた。

モーパーゴらしい、とても胸打たれる良い作品だった。



参照 ドラマ・ダンケルク
http://d.hatena.ne.jp/elkoravolo/20120104/1325686850