- 作者: 竹村牧男
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2004/03/01
- メディア: 単行本
- クリック: 9回
- この商品を含むブログを見る
わかりやすく華厳思想についてまとめてあって、面白かった。
マルクス・アウレリウスの『自省録』や華厳経を読んでいると、なんといえばいいのだろう、
自分は全体の一部、大いなる宇宙という全体の中でいろんな存在と結びつき関わっている一部なんだ、という感覚が生き生きと取り戻せる気がする。
現代人はとかく、この感覚を失いがちで、バラバラの原子化された個人となりがちだけれど、マルクス・アウレリウスや華厳経はその点、本当に現代人にとって個と全体の生き生きとした感覚を取り戻させる最良の手引きのひとつと思う。
すべてを見通し、しかも一切を育む力が仏の光明。
その如来が、自己と世界のいのちの根底にある。
この目ざめが、華厳経なんだと、この本を読みながら、あらためて感じた。
また、この本を読んでて、善財童子についての「直心の精進力」という言葉が印象に残った。
このような心で生きたいし、この心で生きた時に、宇宙の光明・華厳というものが実感できるのが人生というものなのかもしれない。
良い一冊だった。