- 作者: 大平真理子
- 出版社/メーカー: 荒竹出版
- 発売日: 2002/02
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログを見る
イギリスの詩人で、第一次大戦に参加し、それぞれに戦争をテーマに詩をつくったルパート・ブルック、ウィルフレッド・オウエン、シーグフリード・サスーンの三人について、簡潔にその人生をまとめてあって、面白かった。
ルパート・ブルックはとても美青年だったそうで、ケンブリッジで学び、上流階級に多くの友人があり、誰からも愛される青年だったそうだ。
フェビアン協会に参加し、社会主義に情熱を燃やしたり、サモア諸島を旅して南国の自然や風物を愛したりする一面もあったそうである。
しかし、第一次大戦で、戦病死する。
オーウェンは、貧しい家庭で生まれ育つが、苦学し、戦争の悲惨さに直面する中で、それらを詩に書き綴った。
第一次大戦が終わるわずか11日前に戦死を遂げた。
戦場では勇敢で、勲章までもらったそうだが、戦争の非道を告発し、戦争がいかなるものかを示すその詩は、本当にすごいと思う。
サスーンは、大金持ちの家に生まれ、戦場では勲章をもらうほど勇敢な戦いぶりを示すが、戦争のバカバカしさや悲惨さについて多くの詩を書き、勇気を持って反戦の声をあげたそうである。
第一次大戦の後までかなり長く生き残ったが、一次大戦の心の傷は終生重くのしかかったそうだ。
一次大戦がなかったならば、これらの三人の青年も、どれほど普通な、幸せな人生があったのだろう。
そのことを思うと、なんとも悲しい気持ちにさせられた。
日本ではあまり一般的によく読まれるわけではないようだけど、特にオーウェンの詩は、そのうちしっかりと読んでいきたいと思った。