善導大師『阿弥陀如来を観想する教えの入口』(観念法門) 第四十三節

善導大師『阿弥陀如来を観想する教えの入口』(観念法門) 第四十三節



また阿弥陀経には以下のような意味のことが述べられています。
「六方の方角のそれぞれのガンジス河の砂の数ほどの数のさまざまな仏たちは、みな舌を伸ばして三千世界を覆い、真実の言葉をお説きになられます。
釈尊の生きておらる時、あるいは釈尊が入滅された後のあらゆる罪をつくりながら生きている凡夫は、ただ回心して阿弥陀如来を念じて、浄土に往生したいと願うならば、上は百年の寿命の間、下は七日、一日の間、あるいは十回の念仏の声、三回の念仏の声、一回の念仏の声に至るまで、命が終わろうとする時に、阿弥陀如来が浄土の聖なる方々と自らやって来て迎えてくださり、浄土に往生をさせてくださいます。」」と。
以上の六方の仏たちが舌を伸ばしてといったようなことは、凡夫のために間違いなく証明してくださっているということです。罪が滅されて浄土に往生することができます、と。もしこの証明によって浄土に往生することができないならば、六方のさまざまな仏たちが舌を伸ばしても、一度口から舌が出たらそれ以後は、もう口に戻ることができず、自然に舌がやられてだめになってしまうことでしょう。(しかし、決してそんなことはありません。)
このこともまた、阿弥陀如来の御本願によって間違いなく往生させていただくと知り、さまざまな仏たちがそのことを証明しておられると知っていく縁です。