自分の心を振り返ってみると、自分こそ実に世間一般のモノサシが根深くあるなぁと反省させられる。
というのは、「自分の人生は失敗したかなぁ」とときどき考えて、このところ暗い気持ちになるのだが、
その際の、人生の成功・失敗の基準は何を考えているかと自問してみると、
・結婚
・経済的成功
の二つを基準に考えているからだ。
たしかに、この二つは、人生において大切なことの一つでもある。
だが、この二つだけが、人生の成功・失敗を決めるわけではない。
あくまで、多様な要素の中のひとつ・ふたつの要素に過ぎない。
むしろ、全体の中のひとつふたつの側面ばかりを見て、全体を見ず、その他の側面を見ず、全体を失敗と考える方が、局部にとらわれる余りに全体まで失敗させてしまう誤った思考だろう。
もちろん、結婚や経済的成功はうまくいくに越したことはなく、これがうまくいっていれば、人生を楽しむことができる確率も高い。
とはいえ、結婚や経済的成功がうまくいっていたとしても、それで人生の全てが成功しているとは限らない。
他の側面も豊かに成功する人もいるかもしれないが、そうでもない人もいることだろう。
また、ある時期、そのひとつあるいはふたつがうまくいっていても、時が経てばまたうまくいかない場合もありうる。
人生において大事なことは、さまざまな要素をひとつひとつ的確によく整理し区分し、何か一つの局面を過大に人生全体の判断に適用しないようにすることだろう。
誰の人生でも、うまくいっている面もあれば、そうでない面もある。
うまくいっている面は正当に評価し、いまうまくいっていない面は、状況によってはじっと忍耐して好転するのを待ったり、他の側面との兼ね合いを考えながらまたうまくいくように努力していけばいいことだ。
世間の価値基準によって振り回されたり、己を苦しめることほど馬鹿げたことはない。
己が己として大事にしている価値や生き方を貫いているならば、結婚や経済的成功は必ずしも現時点では十分達成されていないとしても、別にさほど落胆することは必要はなく、他の側面で勝ち続ければ、おのずとまた良い幸運もめぐってくることだろう。