韓国時代劇『海神』(ヘシン)

海神-HESHIN- [ヘシン] DVD-BOX 2

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海神-HESHIN- [ヘシン] DVD-BOX 3

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今日、韓国時代劇『海神』(ヘシン)を見終わった。


九世紀の新羅の時代に実在した張保皐(チャンボゴ)という人物が主人公。
かなり脚色してあるのかもしれないけれど、ドラマだと、奴隷の身分出身であり、運命に翻弄され、唐に売り飛ばされ、剣闘士として過酷な生活を送りながら、数々の困難を乗り越えて、唐で軍人・商人として頭角を現し、新羅に帰国後は海賊を討伐し、清海という町を実力で治めるようになる。
その後、王の擁立に力を貸しながら、一切権勢を求めず、清海に帰るが、暗殺される、というストーリーだった。


日本や唐とも盛んに交易を行ったらしく、実際に日本の歴史書続日本後紀』などにも言及されているらしい。
また、日本から唐に留学に行った比叡山の僧侶・円仁を支援し、円仁の長期間に渡る唐滞在のために多大な資金の提供を行ったそうで、今でも比叡山延暦寺文殊楼の横には張保皐の顕彰碑があるそうだ。


ドラマでは、艱難辛苦を乗り越えながらも、常に信念と勇気と努力を怠らない人物として描かれていた。
はじめはてっきり架空の人物と思っていたので、あとで実在する人物として驚いた。


ドラマで、張保皐のライバルとなる閻文(閻長)や、その他の脇役も迫真の演技で、とても見ごたえのある面白いドラマだった。


ドラマではそうしたところは全然出てこないけれど、張保皐の部下の一部は、張保皐が暗殺されてその一党が滅ぼされたあと、九州北部に逃れてきたと伝わっているらしい。
なかなか興味深いエピソードである。


九世紀ごろ、張保皐のような、東アジアの海を縦横無尽に超えて活躍した人物がいたというのは、とてもロマンをそそられるし、人間、いかなる境遇であろうと、自分を信じて努力をすれば、どこからでも這い上がれるということを教えてくれるドラマだった。
面白かった。