善徳女王

全六十二話。
とても面白かった。

痛快娯楽時代劇。
てっきり史実性はほとんどないものと思って見ていた。

見終わったあと、調べてみたら、なんと、登場人物の毗曇と美室って歴史書に記録のある実在の人物だったのか!!
とても驚き。

もちろん、いろんな脚色は施されているようだが、美室が魔性の女性だったこと、および毗曇の反乱は、三国史記や花朗世記などにそれぞれ記載されていることらしい。

てっきり、善徳女王と金庾信、金春秋ぐらいが実在の人間で、毗曇は架空の人物だと思っていた。

いろんなフィクションで脚色されているのだろうけれど、ドラマの中の毗曇は本当に哀れで、最期は涙を誘われた。

ちなみに、なんと斯多含(サダハム)も実在の人物らしい。
もっとも、ドラマでは美室の若い頃の恋人という設定だが、実際はそんなことはないようだ。

ドラマでは、それぞれの役者さんが好演・熱演していたところも良かった。
オム・テウンが演じる金庾信も、本当に忠臣という感じだったし、美室も、悪役として本当に生き生きとしていて、このドラマの面白さはひとえに美室の強烈な存在感にあったと思える。
主役の善徳女王も好演していて、良かった。

もう十三年ぐらい前になるが、慶州に旅行に行った時に、新羅の遺跡を訪れて、とても興味深かった。
古代の石積みの天文台や、古代ローマとの関連を思わせる宝剣など、いろんな不思議なものがあった。
いつかまた慶州の新羅の遺跡を訪れてみたくなった。

高句麗を描いた『朱蒙』と百済を描いた『ソドンヨ』とあわせて見ると、だいぶ韓国の古代史に興味が湧いてくるし、面白いのではないかと思う。

ちなみに、善徳女王は、日本の推古天皇に次いで、東アジアで二番目の女性の王だったらしい。
古代においては、しばしば女王や女帝が現れて、非常に力を発揮したというのは、本当に面白い現象だと思う。