ジョン・マクレー 「フランダースの野に」(フランドルの野に)

ジョン・マクレーという人が書いた「フランダースの野に」という詩にとても胸を打たれたので、自分でも訳してみた。


今でも、カナダ等では第一次大戦を悼む時によく思い出される詩らしい。


作者は、戦死した親友を悼んでこの詩をつくり、自分自身も第一次大戦で戦死したそうである。


ちなみに、この文中の「敵」というのは、たぶん、ドイツ軍というよりは、もっと大きな、戦争全般、この世の政治的な不条理や圧制や戦争ということなのではないかと私は思う。
そう受けとめると、もっと深い、反戦の祈りのような詩に読めると思う。





フランダースの野に」(フランドルの野に)  ジョン・マクレー


フランダースの野に、ケシの花がそよぐ。
墓地の十字架の列と列の間に。
それは私たちの場所の印。
空には、ひばりが今も勇敢に飛び、歌っている。
銃弾の中でほとんど聞こえないとしても。


私たちは死者。
ほんの数日前までは、私たちは生きていて、
夜明けを感じ、夕焼けを見ていた。
愛し、愛されていた。
それが今や、フランダースの野に、横たわっている。


敵との戦いを再開してくれ。
君に、私たちはたいまつを、くずおれる手で手渡した。
そのたいまつを高くかかげてくれ。
もし君が、死んだ私たちの信念を裏切るならば、
私たちは決して眠ることはできない。
たとえ罌粟の花がフランダースの野にいっぱい咲いたとしても。




“In Flanders Fields” by John McCrae


In Flanders fields the poppies blow
Between the crosses, row on row,
That mark our place; and in the sky
The larks, still bravely singing, fly
Scarce heard amid the guns below.


We are the Dead. Short days ago
We lived, felt dawn, saw sunset glow,
Loved and were loved, and now we lie,
In Flanders fields.


Take up our quarrel with the foe:
To you from failing hands we throw
The torch; be yours to hold it high.
If ye break faith with us who die
We shall not sleep, though poppies grow
In Flanders fields.