- 出版社/メーカー: アルバトロス
- 発売日: 2005/08/05
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面白い、良い映画だった。
舞台は、ちょうど60〜70年代の韓国。
平凡な床屋が、ふとしたきっかけで朴正煕がモデルらしい大統領の理髪師になる。
軍事政権の時代の、バカバカしいような、悲劇のような、そんな時代がよく描かれていた。
韓国映画はやっぱりレベル高いなあと思った。
こんな作品を、日本もつくれないものだろうか。
韓国の民主主義というものも、幾多の苦難を経て、時には歩行困難なようになりながら、少しずつ成長し歩みを始めたのだろう。
そんな様子が、あたたかく描かれていた。
日本の民主主義は、その点どうなのだろう。
歩行困難なほどにひどい目には戦後はならずにすんだ反面、きちんと自ら歩こうとどの程度してきたのだろうか。
映画で、興味深かったのは、朴正煕らしき大統領が、「今日も気分は最高だ」と日本語で思わずぽろっとつぶやくシーン。
「四捨五入」という言葉すら日本から入ってきたから排除しなくてはならない、国会から日本の残党を一掃しなくてはならない、と別のシーンでは言っているのだが、一方で満州や陸軍士官学校時代の話もする。
おそらく、6、70年代ぐらいまでの韓国は、日本を深く憎んでその影響力を一掃したいと思いながらも、ふとした拍子に出てくるぐらい、いろんな陰を引きずっていたということなのだろうか。
軍事政権時代の、やたら抑圧的でバカバカしいほど権威主義的で暴力的なのも、ひょっとしたら戦時中の日本の軍国主義の影響だったのだろうか。
いろんなことを考えさせられる映画だった。