上田淳夫 「ドラッカー入門」

ドラッカー入門―万人のための帝王学を求めて

ドラッカー入門―万人のための帝王学を求めて


とても面白かった。
私は恥ずかしながらドラッカーには全然詳しくないので、とても啓発された。


興味深かったのは、ドラッカーが18歳の頃に読み生涯を通じて最も影響を受けたのが、バークの「フランス革命省察」とテンニースの「ゲマインシャフトゲゼルシャフト」だったということ。
その影響から、「継続と変革のバランス」と「人の絆」の二つを生涯テーマにしたというエピソードは、大変興味深かった。
ドラッカーは、出発点から漸進主義、および過度の近代化への懐疑に大きな問題意識を持っていたのだと思うと、とても興味が湧く。


あと、国家社会主義を、それ以前の資本主義や社会主義の経済至上主義への反発、脱経済至上主義への願望や欲求から生じたものだとドラッカーが当時において指摘していたという話も興味深かった。
全くそのとおりだろう。


そして、経済至上主義が人を幸せにしないのであれば、そしてナチズムもそうだったとすれば、何が人を幸せにするのかと問い続けたのが、ドラッカーの思想だったらしい。
単なる実業マネジメントみたいなイメージがあったら、すっごい奥深いものだったのだなぁ。


その他も、


・「何によって憶えられたいのか」そのことを意識して生きると、全然人生は違ってくる。


・社会や組織がうまく機能するには、
1、位置づけ、
2、役割、
3、正統性
の三つがその構成員および社会・組織にきちんと与えられている必要がある。


・問題にこそチャンスがある。
・教養とは生きた知識を意味する。
・世の中を変えるのは知識。
・知りながら害をなすな。
・真摯さを大事にする。
・人事では、その人の部下に自分の子どもをしたいと思うかを基準に考える。


・五つの問い。
1、ミッションとは何か。
2、顧客は誰か。
3、彼らは何を価値ありとするか。
4、我々は何を成果とするか。
5、では何をするか。


・未来を予測するためには、
1、「すでに起こった未来」を知る。(つまり、人口減少などの今起こっているデータを知れば、数十年後の様相も予測できる。)
2、一人一人が未来をつくる。「明日は今日つくられる」


・七つの原則
1、見る、
2、わかったものを使う
3、基本と原則を使う
4、欠けたものを探す
5、自らを陳腐化させる (ここはちょっとこの本からだけではよくわからなかった)
6、仕掛けをつくる。
7、モダンの手法を使う。


・成功するために
1、貢献に焦点を当てる
2、強みの上に築く
3、集中する
4、時間管理


・「自分を使って何をしたいか?」を、自分が何ができるかなどよりも考えてみる。

・「自らの強みは何か?」
「自らの仕事のやりかたはいかなるものか?」
「自らにとって価値あるものは何か?」
を考える。

・世界のすべてを成長に糧とする。


などなど、なるほど〜っと思った。

ドラッカーの本、いろいろ読んでみよう。