朱蒙

【期間限定生産】朱蒙 コンプリート・スリムBOX [DVD]

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本当面白いドラマだった。

なにせ全81話で、とても長いので、つまらなかったら見るのをやめようと思っていたのだけれど、面白くてついつい最後まで見てしまった。

朱蒙チュモン)は高句麗を建国した神話上の人物。
このドラマでは、漢に支配され属国状態にある古朝鮮の復興と独立をめざし、タムル軍(多勿軍)という義勇軍を結成、幾多の困難をかいくぐってついに漢の軍隊を撃破し、高句麗をつくっていくというストーリー。

朱蒙は扶余という王国の王子として育つのだけれど、実の父親はヘモス(解慕漱)将軍。
ヘモスは、かつてタムル軍を率いながら、漢にとらえられ、両目を失い二十年間牢獄に閉じ込められていたという話が前半は描かれる。
このヘモス将軍をやっているホ・ジュノという俳優がとても渋くて存在感があり、朱蒙の最初の方ではひたすらヘモス将軍に引っ張られて見た。

はじめのうちは、朱蒙を演じているソン・イルグクという俳優さんは、べつにさほどハンサムでもないし、はじめのうちは馬鹿な王子みたいで、ヘモスが出てくるのが終わったら見るのをやめようかと思っていたら、不思議なことに、ヘモスが死ぬあたりから急にきりっと凛々しくかっこよくなってきた。
あとからは本当に迫力ある見ごたえある演技だった。
はじめの馬鹿っぽいのも演技だったのか、それとも役をやっているうちに乗り移ったのか。
たいした俳優さんだ。
チュモンの義理の兄の二人の王子がとても意地悪で、はじめのうちはその二人の兄におびえてびくびくしていたチュモンが、あとからは毅然として兄たちと対決し、はるかに凌駕していくようになる姿は、見ていて胸がすく思いがした。

ヘモスと朱蒙を演じるホジュノとソンイルグクは、単なるドラマの域を越えた熱さと迫真の演技だった。
毎回ひたすら感心しながら見ていたのだけれど、ふとネットで調べてみたら、驚くエピソードがあった。

朱蒙を演じている俳優のソン・イルグクは、キム・ドゥハン(金斗漢)の孫らしい。

金斗漢は、私はぜんぜん詳しくなかったのだけれど、wikipediaの項目を読んでみたら、リアルヘモスかリアル朱蒙みたいで、本当に面白かった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E6%96%97%E6%BC%A2

世の中には、本当、劇的な人生を生きる人物がいるものである。

おそらく、朱蒙のドラマの設定や人物造形には、神話をベースにしながらも、金斗漢のことも念頭にあったのだと思う。
それゆえ、単なる神話とは思えない、リアルさや迫真性や迫力が、あのドラマにはあったのだろう。

朱蒙のテーマソングの「宙よ」も、覚えて、今度カラオケで歌ってみようっと。