里中満智子 「あすなろ坂」

あすなろ坂 (1) (講談社漫画文庫)

あすなろ坂 (1) (講談社漫画文庫)

幕末から明治の頃が舞台の少女漫画。
本当名作と思う。

主人公の一人の有馬武史の以下のセリフには、本当に胸を打たれた。

「愛とは、尊敬だよ

しあわせとは、尊敬と信頼でつながった人どうしが

努力して歩いていく道のりのことだと思う

人生は
長い長い
坂道だよ

苦しみや悲しみや憎しみや
その他もろもろの荷物をかついで
のぼっていく
けわしい坂道だ

愛と希望が
その坂道を
照らしてくれる」

(321〜322頁)

このセリフ、忘れないようにしよう。


2巻の、帯刀新吾のこのセリフも泣ける。

「もしも、もしもわたしがきみの父親なら
恩がえしなんて考えてほしくないな

きみはきみの人生をせいいっぱい生きていく
自分の道をもっている男になることだ

成功しなくてもいい
人から尊敬されなくてもいい
のたれ死にしてもいい

とにかく・・・
自分で
「おれは男だ」
といえる男になることだ

わたしが父親なら・・・
そんな息子の生き方がいちばんうれしい


武士の生き方を知っていますか?

死ぬときの美しさを求めて・・・
生き方を決めるのが
武士の道だ

男は死に方で値打ちが決まる

美しい死に方をしたいと思ったら
美しく生きぬくことだ

自分の美しさをさがしあててほしい
そんな息子になってほしい

ひきょうな生き方
いいかげんな生き方は
美しくない」
(45〜48頁)

本当、名作と思う。