
- 作者: 原武史
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/06/19
- メディア: 単行本
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なかなか面白かった。
雨宮処凛、鎌田慧、福田和也、鈴木邦男、湯浅誠、北田暁大、中島岳志といった人々の話が収録されていて、どれもなかなか面白かった。
特に私にとっては、雨宮処凛さんの話が、その95年頃から感じてきたいろんなことや「生きづらさ」の話が、ほぼ同年代だけに、とてもよくわかる気がして共感させられた。
また、湯浅誠さんの「五重の排除」の話も、なるほど〜っと思わされた。
北田暁大の公共性についての話も面白かった。
この三人の本は、もっといろいろ読んでいこうと思った。
にしても、雨宮さんや湯浅さんの話を読んでいると、今の貧困問題や労働形態の問題は本当に深刻だとあらためて考えさせられる。
「魔法のボタンはない」わけで、ひとつひとつ地道に自分の身の回りで何かできることを、このいつの間にやらとんでもない事態になってしまった時代や社会の中で、なんとか粘り強く努力していくしかないのだろう。
あと、この本を読んでいて、それぞれ現代の日本の問題に積極的に取り組んでいるという点で非常にアクチュアルな話や人々が集められているわけだけれど、あんまり西洋政治思想史の通史が活用されていないことを少しだけ物足りなく思えた。
こういうアクチュアルな人々やその思想も大事だけれど、それらと長い政治思想史の蓄積を架橋する人がもっといていいようにも思う。