- 作者: ラザーロ・ルドヴィーコザメンホフ,Lazaro Ludviko Zamenhof,水野義明
- 出版社/メーカー: 新泉社
- 発売日: 1997/06/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
ザメンホフの考えや思いを知ることができて、とても面白かった。
エスペラント語は、精神的惰性と闘う新思想であること、
英語の五十倍簡単であること、
言語の壁を越えることこそ人類の平和共存の鍵であること、
などなど、読んでいて、なるほどーっと思わされた。
中立的人間言語を世界に普及させること、
すべての民族の間の友愛と正義を実現すること、
相互理解の実現、
そうした切なる願いが、エスペラントにはこめられているんだなあと読んでてあらためて痛感した。
ザメンホフの言うとおり、「言語というものは文明の主要な原動力である」とすれば、この世界の文明、人類をさらに良い方向に向わせるためには、やっぱり言語の問題に注意を払い努力することは最も大事であり、中立的基盤として、エスペラントに注目することは、二十一世紀の最重要課題のようにも思われる。
また、同書に収録されている「ホマラニスモ宣言」も、宗教に関するザメンホフの思想が明瞭に打ち出されていて、とても興味深かった。
言語とともに、宗教についても、中立的基盤を整理し、宗教の壁を乗り越えることが、人類の平和共存のためにはとても重要な作業なのだと共感した。
「この事業は不滅だ。死滅することは決してない。遅かれ早かれ目的は達成されるにちがいない」(同書40頁)
未だその事業は未だ半ばかもしれないけれど、読んでて、この言葉のとおりなのではないかと、私にも思えた。