スマナサーラ長老・南直哉 「出家の覚悟」

出家の覚悟―日本を救う仏教からのアプローチ

出家の覚悟―日本を救う仏教からのアプローチ


・ 慈しみは、あるものではなく、日々に努力すること。
・ 共生とは、矛盾や摩擦に耐えること。
・ 共にいるということは痛みでもあり、それが生きることの強度・手応えにもなる。
・ 縁起とは、自分が自分ではないものから触発されること。
・ 人は皆、生きる苦しみを味わい、失敗ばかりしている。そこで自分だけと思うか、みんなそうだし人生とはそんなものだと知っているかで、人は大きな違いが出てくる。
・ 自分が何をすれば人の役に立つかを考えるかが一番大事で、自分探しなどはつまらないことだ。
・ 信とは、共感すること。
・ 人間の認識全体に欠陥があることが無明ということ。
・ 祖師教ではなく、仏教に、釈尊の教えを基本とすることが今後日本仏教にも大事。
・ 誰かがホームになると、その人は落ち着く。大事なのは、ホームがあるかどうかということ。
・ 自分の面倒は自分でみれる人間になること。
・ 時間は待ってくれない。結局は今やるべきことに賭けるしかない。
・ 多様性を認めるのが幸福。
・ 違いが楽しいと思えばいい。差を喜ぶこと。

などなどの内容が書かれていて、なるほどーっと思った。
スマナサーラ長老の圧倒的なすごさを改めて感じた。
まさに現代の鑑真和上だろう。
対談していた南さんという方も、よいことをおっしゃっていた。

スマナサーラ長老は、この南さんや玄侑宗久さんなど、禅宗のお坊さんとは何人か対談しているようである。
それも面白いけれど、私としては、一度浄土真宗の僧侶の方と、スマナサーラ長老の対談が実現して欲しい気がする。
たとえば大峯顕先生や梯実円和上のような学徳兼備の浄土真宗の僧侶と、スマナサーラ長老が対談してくださったら、すっごい面白い内容になるのではなかろうか。
そのうち実現しないだろうか。

私も、もっと真剣にどうすれば自分が人や世の中の役に立てるか考えて努力し、日々に慈しみの心を育むように努力し、きちんとしたホームを築けるように今のうちから準備して努力しようと思った。
良い本だった。