鍋島直樹 「親鸞の生命観」

親鸞の生命観―縁起の生命倫理学

親鸞の生命観―縁起の生命倫理学

良い本でした。

とても論旨がわかりやすく、縁起とは何か、とても参考になりました。

現代における仏教、現代における浄土真宗のあり方や意味を考える時に、とても示唆に富む本のように感じました。

縁起の相依相成の面をちゃんと汲み取って、一人一人の努力と行為によって相互の関係性が育まれ、自由に因果を創出できると見ていくことは、現代にいかに仏教者や念仏者が応答していくかにおいて、まず確認しておくべき大事なことなのかもしれません。

この本の84頁に引用されていた、
「人間は調和・健康、そして悟りへの探求が生まれてくるように安寧を構築していくことに対して責任を負わなければならない」
という言葉は、仏教や浄土真宗が単なる葬式儀礼に終わらないための、とても大事な心構えのように思われました。