石上智康 「生きていく救われていく」

生きていく 救われていく

生きていく 救われていく


著者は浄土真宗西本願寺)のお坊さん。


東日本大震災のあと、書いた詩を集めてある。
とてもわかりやすい言葉で、仏教の教えについて述べてあった。


合間に、被災地の小学生の絵の写真がおさめられていた。


「執(とら)われは全て根無し草」


「生きていくそのままが生かされている私」


「変化こそが生命の真の姿」


「限りない欲望と限りある知恵」


「この命は私のものではなく、私を超えている「自然」(じねん)の中のあずかりもの」


「縁起・空・自然なる 障りのない 無量の寿(いのち)に み仏に 頭を垂れる」


などの言葉が、心に響いた。


相田みつおさんの、


「損か得か 人間のものさし
嘘か真か 仏様のものさし」


という言葉や、有福の善太郎さんの、


「ご恩をこうむりながら 懈怠(なま)けてくらすことのあさましさ」


という言葉も、心に響いた。


震災を機に、命を見つめ直し、なんらかの仏教などの事柄に関心を持った人も多いかもしれない。
この本はとてもわかりやすく、多くの人にとって癒しになる一冊なのではないかと思う。