「詩を読め、詩は人間をより善くする」
「人はその生涯の定まった目的を持たなければならない。」
「目的もなく方針もない人生は人生ではない。」
(102頁)
「私はまた、天文学の書物も耽読し、ことに学校での最終の一年間はそれに熱中した。
宇宙の久遠の生命が、私はそれを生命そのものでありかつ進化そのものであると考えていたが、
私には高尚な詩想の尽きざる源泉となった。
そして人間と生無生の自然との合致 −すなわち自然の詩− が、ようやくに私の人生哲学となった。」
(126頁)
「私がシベリアで暮した数年間は、他では容易に学び得ない多くの教訓を私に教えた。
まず私は行政機関の方法によっては本当に民衆のために有益な何事をも絶対にできないことを悟った。
私は永久にこの妄想と別れた。
次に私は人間とその性質との外に、なお人類社会の生命の内的源泉をも分りはじめた。
書物の中にはメッタに出て来ない無名の民衆の建設的作用、およびこの建設的作用が社会の種々なる様式の生長発達にいかに重要な役目を勤めているかということが、私の眼の前にはっきりと現われて来た。」
(232頁)