- 作者: 灰谷健次郎
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1998/06/23
- メディア: 文庫
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二、三カ月前から読み始めて、ちょっと中断していたのだけれど、今日のこりの部分を一気に読んで読み終わった。
深く心動かされる作品だった。
個人的な思い出を言うと、高校の時に教室の後ろの方にずっとこの本が置いてあって、気にはなっていたのだけれどとうとう読まずに過ごしてしまった記憶がある。
当時きちんと読んでおけばなぁ。
いささか遅きに失したけれど、それでも読まないままより、今きちんと読めて本当に良かった。
沖縄のこと、戦争のこと、人のやさしさということ。
本当に深い、忘れてはならないことだと思う。
三十年経っても消えない戦争の心の傷の深さということを考えると、本当にもう二度とあんな戦争は繰り返してはならないと思う。
「死んだ人が、なにをいいたかったのか、もし、気持ちにその声をきく耳がなかったら、死んだ人は犬死にじゃないか」(269頁)
「知らなくてはならないことを、知らないで過ごしてしまうような勇気のない人間にはなりたくない」(287頁)
他にも、多くの忘れてはならない言葉やメッセージが詰まった珠玉の一冊だった。