- 作者: 指田和,野村たかあき
- 出版社/メーカー: 文研出版
- 発売日: 2009/05/01
- メディア: 大型本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
とても胸打たれる絵本だった。
実話が元になっているそうである。
宇根利枝さんは、広島に原爆が落ちた日、本人は無事だったが、広島の街で地獄を見た。
水を求めている多くの人々を見たが、彼らに水を飲ませることができなかった。
敗戦から十年後、その時の果たせなかった約束を果たしたいと思い、山の中の滝の水を汲んでは、市内に百二十箇所ある慰霊碑に水をお供えすることを始めた。
そのことを、半世紀以上、この絵本が出た時点で五十四年間、ずっと地道に続けてきたそうである。
宇根さんの心の優しさに胸を打たれるのと同時に、そうせねばおれなかったほど、あの日の情景は悲しいものだったのだろうと、深く胸を動かされる絵本だった。