- 作者: 新美南吉,保坂重政,司修
- 出版社/メーカー: にっけん教育出版社
- 発売日: 2002/11/01
- メディア: 単行本
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新美南吉が原作の絵本で、とても良かった。
ある木に花が満開に咲き、とても良い香りがするので、蝶がその木をめざして大勢集まり、祭りを開くことにする。
途中、ある蝶が池のほとりの草にとまって羽を休めると、その葉の裏に見たことがない虫がとまっていた。
それはほたるで、一緒に木の祭に行こうと言うと、自分は蝶ではないので歓迎されないだろうと言う。
しかし、蝶は蛍に、そんなことはない、みんな歓迎する、と言って一緒に連れて行く。
木の祭りはとても楽しかったが、やがて日が暮れてしまい、もっと楽しみたかったのに、と蝶たちは残念に思う。
すると、それまで一緒にいて、決して排除されず、一緒に楽しんでいた蛍が、仲間を大勢連れてきて灯りをともしてくれた。
そのおかげで、夜通し祭を楽しむことができた。
という物語。
とても考えさせられる、良い話だと思う。
もし蝶が、蛍を祭から排除していれば、楽しみは半分になっていただろう。
さまざまな民族や文化や宗教というのも、すべからく、この新美南吉のような考え方をすると、世界はもっと豊かなものになるのではないかと思った。